私がアートセラピーに出会ったのは平成17年(2005年)です。それ以前・・・そう幼い頃から 絵や書を描き(書き)、モノつくりが好きな父と、編み物や洋裁、刺繍、料理が好きな母の影響を受け、手仕事を中心とした自己表現には馴染みがあったのですけれど・・・
看護師になって就職したのは、小児病棟・・・そこの医局長の先生は、母子関係についての研究や書籍の出版をされていた先生でした。外科系希望だった私は、実は子供が苦手で配属が発表された日は泣きが入り、心配した友達が、その日の夜、手作りのマドレーヌを持ってきてくれた記憶があります。でも、この配属が自分の人生にとって必要不可欠な出来事と今では思っています
結婚して子供を産み、第2子が産まれた頃、それまで色彩豊かな絵を描いていた息子が、青と黒のクレヨンしか使わなくなり、その時、医局長がいつも言っていた、「母さん、子供と遊んでるかい?下の子が出来たら、上の子中心の生活にする事が大事だよ」という言葉を思いだしました
それから何をするにも上の子のペースで、下は連れまわる生活になり、長男の表現には色が復活していきました。(ちなみに第2子の娘は、何処でも良く寝てスクスク育ってくれました。)言葉にはしなくても、心のうちは表現してる、表現できるという事を実感した出来事でした。
自分の時間が出来るようになって、チャイルドセラピスト養成講座というのに通い(今は、その資格更新してないので失効してますが) そこでアートセラピーに出会いました。
言語を介するコミュニケーションは、年令をはじめ、その人の生活史や経験値に大きく左右される部分がありますが・・・音楽や絵画は言語とは違った感覚でのコミュニケーションが可能です。
また、他者とのコミュニケーションだけでなく、自分自身との対話・・・という意味でも普段意識してない深い部分からのメッセージを受け取る事ができます。なので表現してみて・・・ビックリしたり、「そっか、そっか」と我ながら自分自身の本音に納得して、日頃のモヤモヤが腑に落ちてしまったり・・・実は内面にあるエネルギーや欲求に気付いたり・・・
私は・・・誰にでも自己再生、自己治癒力があるというのを信じています。でも、その力を上手く使えていない人が多いのは事実だと思います。自分には出来ない、自分はダメだという思いに捉われてしまっているので、自己否定が先になってしまい、自己肯定が難しいのです・・・大事なのは、自己肯定というより、自己受容・・・良いところも悪いところも全部自分、むしろ・・・良い悪いではなくて相反する特徴に過ぎないのかな・・・と
表現する事を重ねていくことで、少しずつ自分の内面と向き合い、どんな自分でも、それ以上もそれ以下もなく、そんな自分で良いんだ、大丈夫なんだと思えてきます。私は、誰にでもその力がある事を信じています。その変化のそばに、ただ寄り添っていけたらな・・・と思っています
写真は、去年描いた絵です。自分らしさを表す自己紹介・・・だったかな?本と針仕事を描きました♪